店内より

泉福寺経
- 日本 平安時代(11世紀後半)


皆さんもよくご存知の泉福寺経です。
焼経といえば二月堂(華厳経)が想起されますが、泉福寺経もまた違った魅力をもっています。平安らしい柔らかな美しさがあるように思います。

上下の焼けも経文を損なうことなく、藍紙の状態も良いほうでしょう。
夜空に散りばめられた、きら星のように輝く揉箔が、華を添えているようです。
泉福寺経は11世紀後半の遺品。装飾経としては早い時期のものです。

同じ装飾経でも、贅を尽くした院政期あたりのものより、清楚でより経文らしいように思いませんか。
銀箔を中回しに使って、ちょっとお洒落に仕立ててみました。


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花と器

手付き籠

D 18.2 cm


とても小さな手付き籠です。囲炉裏の煙りに燻されたか、いい感じの質感になっています。 なんの用途で作られたものでしょうか…。

春の花も良いのですが、やはりこの籠には、秋草が似合うように思います。
花材は、梅鉢草、稚児百合、舞鶴草、野葡萄、青葛藤(あおつづらふじ)。
野葡萄の実に、深まりゆく秋の気配をかんじますね。

そっと耳を澄ませば、虫の音が聞こえてくるようようです。


花 : 横川志歩
http://nageire.jimdo.com/


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