泉福寺経
- 日本 平安時代(11世紀後半)
皆さんもよくご存知の泉福寺経です。
焼経といえば二月堂(華厳経)が想起されますが、泉福寺経もまた違った魅力をもっています。平安らしい柔らかな美しさがあるように思います。
上下の焼けも経文を損なうことなく、藍紙の状態も良いほうでしょう。
夜空に散りばめられた、きら星のように輝く揉箔が、華を添えているようです。
泉福寺経は11世紀後半の遺品。装飾経としては早い時期のものです。
同じ装飾経でも、贅を尽くした院政期あたりのものより、清楚でより経文らしいように思いませんか。
銀箔を中回しに使って、ちょっとお洒落に仕立ててみました。