店内より

アミュレット タウレト女神像
- H 5cm ファイアンス製
- エジプト 末期王朝(紀元前664〜332年)


アミュレットと言っても、あまり馴染みがないかもしれませんが、いわゆる護符・お守りのようなものです。エジプトには日本と同じく、八百万の神々がいらっしゃいます。

このターコイズブルーの色が印象的なタウレト(かばの姿をした女神)もそのひとつ。出産の守護神として、寝台や寝具の飾りに使われていたのか、他のアミュレットとともに、ミイラの首飾りとして棺の中に収められていたものでしょう。

ガラスのようにも見えますが、ファイアンスというガラス質の多い焼き物です。若干のパティナ(不純物)が付いていますが、キャストも色も良い方だと思います。指先に乗りそうなこの小ささも、なんとも言えない可愛らしさがあります。

これからも古代エジプトやメソポタミア、ギリシャ・ローマの小品をご紹介していく予定です。


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李朝 瑠璃釉 肩付き小壺
- H 8cm
- 李朝後期


勢いのある渋めの瑠璃釉が印象的な小壺です。涼しげな色が、夏の蒸し暑い日々を和らげてくれるかも知れませんね…。

瑠璃釉には、雑なつくりのものが多いのですが、その中では比較的、品のある方だと思います。

李朝は個性豊かな、いろいろなバリエーションのある陶磁器です。端正な初期、味っぽい中期、清廉な後期。それぞれ魅力的ですね。中国のものは完成度が高く、さすがに美しいですが、冷たい感じが否めません。

李朝の持つ、気取らない簡素な雰囲気に親しみを覚えます。まさに座辺の李朝とは、よく言ったものですね。


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花と器

須恵器 細頸壺
- H 20.5cm
- 奈良時代


うっすらと名残のように肩に降りかかった自然釉。端正な口作り。これでひと筋、珠だれでもあればもっと良かったのですが…。

そうは言っても、明るい色調の須恵器は意外と少ないものです。ごらんの通りの静かな佇まいも、花入れにはぴったりでしょう。

うす紅色のあざみやほたるぶくろ、青い実の山帰来、さながら野にあるような自然な姿の花たちを、そっと優しく受けとめているようです。夏の野原の草の匂いが、湿った土の匂いが、漂ってくるような気がしませんか。

花 : 横川志歩
http://nageire.jimdo.com/


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