店内より

花と器

亜字型華瓶 


山茱萸 (さんしゅゆ)の大胆な枝ぶりがかっこいいでしょう。
頬を染めて見上げる赤い藪椿も、愛らしいですね。
花を入れるのは、花材選びの良し悪しでかなり決まると聞きました。目利きが必要なのは、美術の世界と変わらないようです。

さて、花器は亜字型華瓶のちょっと胴長のもの。高知の金剛頂寺(藤末鎌初)のものと形が似ています。
こちらは、時代が下がって南北朝の頃でしょうか。時代の差こそあれ、やはり法具(供養具)には凜とした品格が備わっています。
早春の野に咲く山茱萸の花と奏でる、妙なるハーモニーが聞こえてきませんか…。


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